株式会社 リテラル
どんな会社?
医療系、業務系システムの受託開発をおこなっています。医療系では電子カルテの部門システム、業務系では製造メーカーの生産管理システムが中心となります。
客先常駐型のシステムエンジニアリングサービスもおこなっており、様々な開発スキルを修得することが可能です。
別事業として就労支援の取り組みもおこなっており、平成29年10月に就労移行支援事業所 「アップル梅田」 を開設しました。
株式会社リテラル
実習生が取り組む仕事内容は?
Javaプログラミングの基本文法(環境、計算、変数、制御文、例外、配列、コレクション)とオブジェクト指向(クラス)を学んでいただきます。
その後、実習生自身(もしくは弊社)で要件を定義したシステムを組み、出来上がった成果物をレビューします。
その他、ビジネスマナーと社会人基礎力の講義もあります。
職場環境と仕事内容の様子
実習受入する内容は?
1:受入している 2:今はしていないが今後してみたい 3:今後も予定なし
職場体験のみの実習・・・・・2
雇用を前提とした実習・・・・・1
実習を通してマッチングすれば雇用も検討する実習・・・・1
施設外実習として、工賃を支払う実習・・・・・3
企業インタビュー
株式会社リテラル 代表取締役 船越 隆之
-----------------障がい者の方の職場実習の受け入れすることになったきっかけについて教えてください。
現在、障がい雇用は行っていませんが、将来的にはやりたいと思っています。何故やりたいかと言うと、弊社は、本業はIT分野の情報通信になるんですが、3本柱になるんです。1つが『IT』2つ目が『教育や人材開発』3つ目が『福祉事業』となるんですけど、これがITというキーワードで相乗効果を生むことができれば良いかなと・・・それがビジョンといった感じです。それをなし得たいがために、福祉事業に参入したといった感じですね。ITというのは在宅就労とか障がいをお持ちの方が働くにあたって親和性が高い感じであると僕が思っていますので、そこをもっともっと進めていければ単価の高い仕事も障がいのある方に任せて、働いていけるであろうと思っている気持ちです。
------------------なるほど。このような想いになられたきっかけとして、船越さんの身近に障がいのある方が居たり、関わった経験があっての想いなんでしょうか?
いや、ないですねぇ。親族にもいないですし、今まで関わった経験もないです。
----------------それでもITと福祉の可能性を感じられたのですか?
きっかけとしては、就労移行というものに触れたのがきっかけでして、それ以前は、職業訓練の事業に携わっていたんですが、障がい者の方と関わるのは未経験でした。
こちらにおります、石井(リテラル様が運営する就労移行支援アップルの管理者)の過去に立ち上げた事業所と触れ合うことがあり、その際に「これは興味深いぞ!」となりました。もうひとつきっかけとなった事案がありまして、『コネクションズ大阪』というのを運営されているNPO法人さんなんですが、そこの方が講演されているのを聞く機会がありました。その時の内容に障がい者の就労支援というのは、国の税金で支援している、しかし、障がい者が一般就職することによって、納税する側になれば、日本全体をみてもものすごく大きなメリットになるんだというのを聞いて、私はすごく感銘しました。お国の為に働きたいという想いがありますので、それを聞いて絶対するべきだと思って取り組んでいるところです。しかし、経験値も低いのでこれからになりますが、ご了承ください(笑)
----------------立ち上げられて、こんな事を実現したいとか、人材の輩出とか、こんな人を輩出していきたいとかの想いや夢はありますか?
もちろんあります。障がいのある学生とかが才能を殺さずにITという土壌を通して、才能を開花できるような支援をして一流のプログラマーになって活躍できるような形を作っていきたいですね。
----------------実際に初められてやってよかったなと思われたことはありますか?
それはまだまだこれからだと思いますね。入口としての受け入れに関しては、少し広がってきましたが、まだ形になっていないので、形になってから「やって良かった。」となると思いますね。
----------------以前、大阪大学の学生(障がいのある学生)の体験を受け入れして良かったと思えたことはありましたか?
確認できたというか、その学生はIQは高いんですね。プログラミングは私が直接教えさせてもらったのですが、その際、職業訓練で行うカリキュラムで通常なら3ヵ月かかる内容を2週間でやってしまうぐらい消化が早いんです。しかし、彼の課題をそこではなくて、彼はコミュニケーションに課題がありました。私の質問に1分かかってしまうこともありましたので、コミュニケーションの支援をさせてもらったところ、徐々に会話ができるようになってきたのが受入して良かったと思いますね。
就労移行という切り口に限らずですね、今困っている若い方、学生の支援をしたいと思っています。大学には籍は置いているけれどもコミュニケーションに困っている人は多くいると思うんです。私も大学時代そうでしたので。(笑)
今時の悩める学生の支援をしたいとも思っております。例えばですね、恋愛支援とかもしたいんです。恋愛って対人コミュニケーションとしてぐっと上がると思うんですよね。でも、それって何かきっかけって必要だと思うので、私がそのきっかけを創りたいと思いますね。
就労移行支援事業所アップル 管理者 石井 日登美(左)
----------------受け入れして可能性が広がったとお聞きしましたが、逆に苦労したことはありますか?
苦労・・・どうでしょうかね。
苦労らしい苦労については、石井のほうからお話しますね。
(株式会社リテラル様が運営する就労移行支援事業所アップルの管理者 石井様)
石井様:障がいの特性でもあると思うのですが、「これをしてくださいね。」と明確であれば出来るのですが、ただ「考えてやってくださいね。」となると発想が難しいですね。そうなると1~2時間悩んでしまう人もいます。そのあたりの仕事の割り振りを企業へ依頼するんですけど、そのあたりもご相談くだされば、企業へ私たちも介入したりしますが、そのあたりが今後必要になると思います。
大阪大学の学生の事例で言うと、何をするのか、どのようにすれば出来るかを本人に分かりやすく伝えることで、すごい力を発揮しました。ミスも少ないですし、私よりも断然パソコン出来るんですよ。だからその方の障がいの特徴をどれだけ私たちがキャッチできるか、見極めるかが必要になると思います。本人も自己理解が出来ていない方が多いので、そのあたりは、企業の担当者、支援者のスキルが必要だと感じますね。
----------------福祉事業所(一般的な福祉や自社の就労移行事業所含む)に求めるものってありますか?
アップルに求めることは・・・彼女が(石井様)がすべて体現してくれると思いますので、私の想いも汲み取ってくれています。ストーリーのある就労移行というのを謳っておりますので、そのような理念だけはぶらさずにやって頂ければ問題ないと思います。彼女はそのあたりはしっかりされていますので問題ないと思っています。
一般的な福祉については、私も造詣があまりないもので求めるものがないのですけど。
実のある連携というのも作っていかなといけないと思います。
----------------就労移行支援を運営して、親会社である株式会社リテラルさんに影響をもたらしたことってありますか?
もうそれはすでに変化がでています。それは、うちの会社は暗いんですけど、この1~2か月ですごく変わっていますね。間違いなく、明るくなって会話が増えています。
前までは「これ本当に会社かな?」と思えるぐらい殺伐として雰囲気だったのですが、それが会社らしくなってきたんですよね。みんなが会話をするようになって仕事の時は仕事のモードで、ちょっとした会話なんかして、皆がリラックスできたりしているのを見て、「これは良いな!」と劇的に変わりました。
----------------何故そんなに変化があったのですか?
1つは、5階に事業所(アップル)があって、そこの職員や利用者との交流があるのもそうですが、一番は大阪大学のインターン生を受け入れて、その学生が凄い礼儀正しかったんですよ。インターンなのでマナーも教えないといけないんですが、教えるまでもなく、全社員の中の誰よりもしっかりできていたんです(笑)その学生に関しては「君に教えることはない!」みたいな(笑)
そこで、社員が気付いたと思うんですよ。挨拶や笑顔って大事やぞ!と。そこができない社員がいたんですけど、彼がそこをぶち破ってくれました。本当に凄く良かったですね。
今後はアップルの利用者もどんどん、リテラルに実習にきたら良いと思うんですよね。そしたらその利用者のためになるので。上手く連携していきたいです。
----------------障がいのある方の実習を受け入れする際に、社員の方の反応はどうでしたか?
関心がなかったように感じますね。しかし、受入してみると実際、挨拶やマナーが凄かったので、社員も良い意味で驚いたと思います。
----------------最後にですね、福祉のスタッフや障がいをお持ちの方に向けてメッセージもしくは伝えたいことがあればお願いします。
難しいですね。(笑)
そうですね・・・。大きいことを言いますが、やはり日本の為にやりたいですよね。
日本も少子化になって国の力がどんどん落ちてきて、この先に日本の未来に希望が持てないように映ってしまうように思うのです。彼らを支援して、人として、ひとりひとりが働いていくことで国が力をつけていくことやと思うんですよね。その1つになりたいな思います。
みなさんが働くことによってそのようになるんだということを理解してほしいと言いますか、共感してほしいと思います。
----------------ありがとうございました。
企業インタビュー